「田中角栄元総理のお庭番として」朝賀昭氏が講演
2017年7月19日

7月例会は19日開かれ、政経調査会会長の朝賀昭氏から講演をいただいた。朝賀氏は、政治的混乱の中、あらためて脚光を浴びている田中角栄元総理の秘書役のトップとして1000人のスタッフをまとめた田中軍団の中心にいた方で、「角栄のお庭番朝賀昭」などの著書で知られる。

まず朝賀氏は、「田中先生の成功、失敗体験を含めた生きざまを語ることで、この国難といわれる時代を乗り越えるヒントが詰まっているのではないか」とあえてお庭番の禁をおかして出版した意図を明かして、自らが、「立ち位置はセンターであってレフトでもライトでもない」と現状に鋭く迫った。

田中角栄氏との出会いは国会にほど近い日比谷高校時代に衆議院のアルバイトをした折りに、たまさか田中氏が務めていた政調会長室担当になったことがきっかけだという。そして23年間側近として使え、その自負から歴史上に残る数々の場面、状況にも立ち会うことになったという。それだけに、すでに140冊も世にでた角栄本の多くは真実を書いていないと、断じた。

そして、今、あらためて熱っぽく語られているように、その政治家としての資質といわれるマックス・ウェーバーいうところの情熱、責任感、判断力などすべてを兼ね備えていたのが田中氏で、「近代十種競技のチャンピオンをキング・オブ・アスリートというが、キング・オブ・ステイトマンと評価できる」と多くの実例から高く評価されていた。国会議員生活43年間で未曾有の33本の議員立法を成し遂げた力量は、あらためて驚く豪腕、叡知ぶりである。 それでいながら、田中氏は「そこに困った人がいたら助けてやろうと思わない人は政治家になってはダメだ」という情の人でもあったという。

朝賀さんは、田中氏に仕えたことあの石原裕次郎の歌になぞらえて「我が人生に悔いなしだ」と最後をしめくくった。