9月例会は、20日紫紺館会議室で経済の第一線で活躍する当会のメンバーにとっては身近で関心も強い、元日銀総裁の福井俊彦元氏をお招きして、「嵐を乗り越え、新しい未来を切り拓く」と題して、不透明になりがちな我が国、そして世界の経済動向を見据え、きわめて興味あるご講演をいただきました。
福井氏は、「明治維新以降の150年間は、民主的な社会の構築と自由な経済発展を目指した日本の近代化の歴史そのものと符合する。その途上、昭和の初期に不幸な戦争を経験したが、国民挙げての努力で早期に敗戦の惨禍から立ち直り、民主化・自由な経済発展という近代化の大きな流れを断ち切ることなく、遂には世界の先進国の一員の人類の進歩に貢献できるまでになった」と、高く評価しながらも、1980年代前半からの成功物語に安穏とした「失われた20年」として、早く完全に脱却を急ぐべきとした。その上で、あらためて過去の歴史を踏まえ今現在の世界情勢の全体を見て、分析、解説していただいた。
最も注目される「日本の今後」については、2020年のオリンピック招致を成功させるような流れに乗るだけではなく、
それらの動きに対する担い手としては、若者であり、これを高齢者も積極的に支援していくことで、将来に向け岐路に立っている今をしっかり受け止め、相応の負担をしていくべきだと結論づけていました。